愛と霊の世界

霊能力者の恐怖の心霊体験

祟り神に呪われた漁村

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我々霊能者が日ごろ携わっている鑑定内容は、主に恋愛相談や人生相談が大部分を占めますが、霊能業界で長年勤めていると、心霊系の依頼もそれなりにお請けすることがあります。中には祟りや霊障の類に関わる問題も決して少なくはありません。

今回お話しする内容は、私が霊能業界で鑑定活動に携わってきた中で五本の指に入るほどの危険な内容です。なお、本件はすでに解決済みの話であり、また本件に登場する名称は全て仮名を使っております。読むことによって祟りや霊障の類を受ける恐れはありません。安心してお読み下さい。

突然の依頼を受け、異様な気配が漂う村へ

私たち電話占い会社所属の霊能者は、普段、電話占い会社を通してご相談者さまから依頼を受けているのですが、その依頼はそういった通常の依頼とは別のルートから舞い込みました。

ある日の午後7時過ぎ。電話占い愛染を通して霊能者達が所属する組合から連絡が入り、「ある漁村で大変なことが起こっています。すぐに霊能者の力が必要です。人の命に関わることです。一刻も早く向かって下さい」と特別依頼を受けたのです。私は不本意ながらその日の鑑定をお休みする手続きを済ませ、その後すぐに旅の支度を整え、指定された漁村へと向かいました。

その港町は新幹線とローカル路線を乗り継いで3時間以上掛かる場所にありました。なんでも昔は大きな漁場として栄えていた場所だそうですが、近年は過疎化が進み、現在の総人口は数百人とのこと。「一体そんな小さな村でなにが……誰かが浮遊霊にでも祟られたのだろうか……?」そんなことを考えながら電車を乗り継いで、夜11時を回った頃になんとか村へと到着。

すると本件が生半可なものではないことがすぐに分かりました。ただならぬ雰囲気が村全体に満ちており、生臭い、異様な気配がするのです。それは例え霊能者でなくとも、多少感覚の鋭い方であれば「なにかおかしい」と感じられるほどのもの。ですから生まれながらに強い霊感を持った私にとっては、もうなにもかも放り出して逃げ帰りたくなるほどの強烈な気配でした。ですが依頼は依頼。しかも組合経由ということは“私が適任”と判断されたということになります。私は指示された小さな神社へと向かうことにしました。

決まりごと”を知らなかったふたり

様な雰囲気は神社が近付くにつれて強まっていきましたが、私はそのまま境内に入り、本殿に上がりました。その部屋の様子は異様なものでした。壁一面に護符が貼られており、奥に神主の方と若い女性がふたり。ひとりに意識はなく、もうひとりの女性は青ざめた表情を浮かべていました。“恐ろしいこと”が起こっているのは誰の目にも明らかでした。神主の方は私の顔を見るやいなや「よくぞいらっしゃいました」と言い、さっそく事情の説明を始めて下さいました。女性ふたりは両方とも関西在住の方。休暇を利用してこの村に遊びに来ていた観光客とのことでした。ふたりとも写真撮影が趣味で、夕暮れ時にカメラを持って海沿いを散歩していたそうです。村に“決まりごと”があることを知らずに……。

「この漁村には“エンリョ様”という神様が語り継がれているのです」神主の方の話は続きました。エンリョ様は海の神様で、普段は豊漁をもたらしてくれるそうですが、人間がその姿を見ると気が触れるそうです。そして“毎月14日の夜にはエンリョ様が陸に近付いてくる”とされ、14日の夜から15日の朝まで“決して海に近寄ってはいけない”というしきたりがあるそうなのです。地元の方々はエンリョ様を今でも信仰しており、その1日には海に出るのを止め、なにがあっても決して近付かないそうです。ですが、観光客であった彼女たち、麻貴さん・加奈さんの両名は、そんな“決まりごと”を知るはずありません。ふたりは海岸で写真撮影を楽しんでいたそうです。時刻はちょうど夕暮れ時。燃えるような赤い空の下、水平線に太陽が沈む瞬間を狙って、麻貴さんはシャッターを切ろうとしました。

次の瞬間、デジタルカメラの液晶画面がふいに真っ黒になりました。

「ギャアーッ!」麻貴さんは絶叫し、その場で泡を吹いて倒れました。いったい麻貴さんが何を見てしまったのか、それは誰にも分かりません。加奈さんは慌てて地元の人を呼ぼうとしました。ですがその日は“誰も海に近付いてはならない日”。付近には誰もいません。加奈さんは泣きながら麻貴さんを背負い、村にひとつだけあったこの神社へ自力で向かったそうです。

異様な気配は間違いなくエンリョ様のものでした。ですが部屋の奥でぐったりしている麻貴さんからは異様な気配がしません。どうやら取り憑かれてはいないようです。そして部屋の壁に無数の護符。まるで小規模な“結界”のように張り巡らされています。なるほど、そういうことか。私は事態を概ね理解しました。

「これから、その祟り神がここへやって来るのですね?」

そう尋ねると、神主の方は眉間に皺を寄せながら「はい」と答えました。「加奈さんについては分かりませんが、麻貴さんは姿を見られています。エンリョ様は間違いなくやって来るでしょう。おそらく逃げても隠れても無駄です。私ひとりでは到底護り切る自信がありません。それゆえご依頼した次第です。どうか助力をお願いします」とおっしゃいました。私はもう覚悟を決めるしかありませんでした。

悪夢のような夜

結界を強めるための用意をしながら、私は神主の方からエンリョ様に関する話をさらに詳しく聞くことにしました。なんでもエンリョ様は漢字で“縁侶様”と書くらしく、もともとは海で命を落とした先祖霊の化身だったとのこと。そんなエンリョ様がなぜ祟り神になったのか。江戸時代末期、村の近海で魚が全く獲れなくなったことがあったそうです。一帯は収入減を絶たれ、やがて食べ物すら無くなり、餓死者が出始めました。“もうエンリョ様にお願いするしかない”そう話し合った人々は、村娘をひとり生贄として海に投げ込んだそうです。すると近海は大豊漁になりました。ですがその代わり毎月14日の夜になるとエンリョ様が生贄を求めて陸に近付くようになったのです。

そんな曰くも“決まりごと”も知らなかった旅行者のふたり。とりわけエンリョ様を見てしまった麻貴さんは完全に“生贄”として見なされてしまいました。彼女はまだ昏睡状態のまま目覚めません。最悪の事態になること回避するためには、エンリョ様が帰る夜明けまで、ずっと護り続ける必要がありました。ようは、この本殿に張られた結界を夜明けまで保ち続ければ良いのです。理屈で言うのは簡単なのですが、実際に遂行するのはとても難しいことでした。なにしろ、相手はまがりなりにも神様です。私は部屋に張り巡らされた結界を強めることに尽力しました。霊力を注いだ護符を貼り直し、念のため祭壇も用意しました。時間の許す範囲内で、できる限りのことをしました。

深夜2時半ころ。外から異様な音が聞こえてきました。『ズルッ、ズルッ』と何かを引きずるような音がするのです。音は本殿の周りをぐるぐると回り続け、やがてその音と一緒に『えんや、よいさ、えんや』という声が聞こえ始めました。エンリョ様がやって来たのです。みしみしという不気味な音が壁や天井から鳴り始めました。その状態はしばらく続き、その後、今度は壁の外側から『バシャッ! バシャッ!』という、濡れた雑巾を外から打ちつけるような音が聞こえてきました。部屋中に生臭いにおいが漂い始め、空気は急速にまとわりつくような湿気を帯びていきました。

『バシャッ! バシャッ! バシャッ! バシャッ! バシャッ!』

これはまずい……。そう思った瞬間、壁に貼ってあった護符が一枚、湿気を吸ってはらりと剥がれ落ちました。続いて二枚、三枚。どんどん剥がれ落ちていきます。強烈な湿気のせいで糊付けがだめになってしまったのです。このままではすぐに結界が破られてしまいます。私は用意しておいた檜の祭壇の前に座り、全霊力を込めて祈祷を始めました。壁を打ちつける音は激しさを増していき、不気味な声は部屋中に大きく響き続けました。それでも私は全霊力を込めて必死に念じ続けました。気の遠くなるような時間に感じましたが、実際にはほんの数十分のことだったかも知れません。戸の隙間から夜明けの光が差し込み始め、同時にエンリョ様の気配はスーッと消えていきました。部屋の床は剥がれ落ちた護符で足の踏み場もない状態になっていました。私は安堵感と霊的疲労のあまりふらふらになり、その上にばたりと倒れてしまいました。

麻貴さんは夜明けと同時に目を覚ましました。慌てて加奈さんが掛け寄り、何度も「大丈夫? 大丈夫?」と尋ねましたが、どうやら14日夕刻より後のことはなにも覚えていないようでした。

その後、神主の方によって麻貴さんの清めの儀式が行われました。なんとか立ち上がれる程度に回復した私は、境内の様子を確認してみました。するとそこには常軌を逸した光景が広がっていました。地面全体が海水でぐっしょり濡れ、ところどころに魚の死骸や千切れた海藻が散乱しているのです。本当におぞましい光景でした。これは改めて清めの儀式を念入りに行う必要がある。そう考えた私は、朝の電車で一度自宅に戻り、儀式の用意を整えて改めて神社に戻りました。村の人達はなにがあったか大体察していたようで、決して目を合わせようとはしませんでした。儀式自体は滞りなく終わりました。麻貴さんと加奈さんは祟り神との縁切り儀式を終えたのち関西に帰りました。ふたりは今でも元気に暮らしているそうです。

手に負えないもの、決して触れてはいけないもの

通常の心霊体験は主に死者霊によってもたらされますが、稀にこういった“手に負えないもの”に関する依頼が入ります。私たち霊能者は、心霊に携わる者として全力で解決に取り組みますが、このような土地神や祟り神を相手とする場合、それ自体を除霊したり浄霊したりすることはできません。人の力で神様をどうこうすることは不可能なのです。ですが、神様にお願いして退散していただいたり、怒りを鎮めたり、力を借りたりすることは可能です。こういった内容こそが、本来の霊能者の役割である、と言えるでしょう。

この世には“決して触れてはいけないもの”があります。もしそういったものに触れてしまった場合、我々のような霊能者に一刻も早くご相談下さい。全力を尽くして対処させて頂きます。

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