愛と霊の世界

霊能者秘密手記 私が手掛けた心霊事件 第2回 品や形など、いわくつきの物品に関する鑑定エピソード ①

霊能者秘密手記 私が手掛けた心霊事件

愛染に在籍する霊能者たちがこれまで手掛けてきた豊富な鑑定事例の中から、とくに心霊体験や霊障などのミステリアスな要素が強くからんだ相談を選び、その解決までの経緯などをご紹介するコーナーです。

決められたテーマの下に毎回、先生からの短い手記の形式を取り、その内容を順次公開させていただきます。本格的な霊能鑑定ならではの、不思議と恐怖に溢れたエピソードをお楽しみください。

遺品や人形など、いわくつきの物品に関する鑑定エピソード ①

「長年、愛用した物品にはその所有者の念がこもる」とよく言われます。代表格は人形で、髪が伸びる市松人形や夜中に歩き回る人形の怪談などは皆様も耳にされたことがあるのではないでしょうか。

今回はそうした人形にまつわる話を皮切りに、故人の写真や遺品、あるいは得体の知れない骨董品などがもたらした恐怖のエピソードを集めました。

雛人形の供養を依頼された話

雛人形の供養

一般人が所蔵している美術品や骨董品の価値をプロが鑑定する、いわゆるお宝探し系のテレビ番組は今でも根強い人気があるようですが、これはそのお宝ブームがまさに絶頂を極めていた時代の話です。

その頃、私は電話占いの仕事に携わる傍ら、紹介者経由のお客様に限定して、直接対面という形での心霊鑑定も承っていたのですが、ある時、「雛人形の供養をして欲しい」という依頼を受けて、関西某地方に住む素封家のもとを訪ねたことがありました。

その家では前年、先代の老主が亡くなったとのことで、当時50代の半ばであった長男が跡を継いだばかりでした。つまりその人物が当件の依頼者だったわけなのですが、直にお会いしての開口一番、「母親と妹が人形に祟り殺された!」と青ざめた顔で告げられ、とても驚きました。

新たな当主が家族と住むために母屋の一部を改築した際、数十年に渡ってずっと開かずの間状態だった奥座敷の一間から、紫の布にくるまれた古い木箱が出てきたそうです。蓋を開けると一対の雛人形が入っており、これは何か特別な価値がある品ではないかと思って骨董屋に見てもらったところ、恐らく大正時代から昭和初期に活躍した有名人形師の手によるもので、美術品としてかなりの希少性がある品に違いなく、もし売ろうと考えているのなら、ぜひ自分の店で扱いたいと言われたのだと。

新当主の男性は別段、骨董や古美術の趣味を持つ人ではなかったので、その場ですぐに引き取ってもらうことにしました。しかし、その様子を傍で見ていた母親と妹が急に横から口を出し、相手の言い値で売る前に、テレビの鑑定番組に応募してみてはどうか?と提案してきたそうです。

「母と妹は、私がその骨董屋の親爺にボラれているんじゃないかと心配したみたいです。それでテレビで活躍しているような有名な専門家に、一度きちんと鑑定してもらった方が良いと。でも、こっちが応募したからと言って、必ず取り上げてもらえるようなものじゃないし、そんな面倒なことはせずにさっさと売ってしまおう、と説得したんですが…」

母と妹は彼の言葉を無視し、そそくさと写真撮影を始めました。まだスマホが普及していない時代のことなので、いったんデジカメで撮影したデーターを写真紙にプリントし、それを応募書面に同封してテレビ局へ送り付けました。

「異変が起きたのはその晩からでした。最初は母がいきなり寝床で叫び声を上げて。あわててその部屋へ入ったら…」

木箱にしまってあるはずの雛人形が、いつの間にか布団の枕許に転がっていました。

ただ、この一度きりなら母親の勘違い(自分で運んできたことを忘れて寝てしまった)で済んだのかもしれませんが、翌日、妹さんも同様の体験をするに至り、さすがにおかしいということになりました。

「まさか雛人形が自分で箱を抜け出すとは考えませんから、同居している私たち夫婦のいずれかの仕業ではないかと疑われまして。もちろん、私も妻もそんなイタズラは身に覚えがないので、躍起になって否定したんですが、我が家は元々、嫁姑の仲が悪くてね、そこへ持ってきて妹はいつも母の味方をしていましたから、数日は険悪な状態が続きました。で、それからしばらくして…」

母と妹が突然、亡くなった、と彼は悲痛な表情で漏らしました。2人で1台の車に同乗して買い物に出掛けた帰り道、国道でダンプと衝突して即死してしまったそうです。おまけに大破した車両の後部トランクには、例の雛人形の一対がむき出しの姿のまま突っ込まれていたというのです。

「母か妹が自分の手でそこへ入れたのかは知りませんけれど、もうひたすら気味が悪くてね、警察からそれが戻ってきてすぐ、檀那寺の住職に預けて供養してもらったんですよ。そうしたら…」

そのすぐ翌日の朝、今度は家の玄関先に同じ人形が転がっているのが見つかったのです。当の住職に訊ねても誰がいつ寺から持ち出したのかなどは全く分からず、それどころか気味悪がられて二度と預かってくれなかったそうです。

「お寺さんのくせに酷いなと思いましたけれど、まあ、そこの坊さんも別に霊能者とかそういう特別な能力の持ち主じゃないですから、しょうがないと言えばしょうがないんですがね。ただ、そうかと言って今さらゴミとして捨てて、それがまたいつの間にかひとりでに戻ってきたら、それこそ本当に恐ろしいじゃないですか。だからもうこうなったら、その道の専門家にきちんと見てもらって供養してもらうしかないと考えたわけです」

こうした事情を伺った後、問題の雛人形を見せてもらい、詳しく霊視しました。全体的な風貌は骨董品特有の色褪せがあるものの、顔や衣装の作りはとても精巧できめ細かく、市井に出回っている量産品とは明らかに違う風格が漂っていました。ただそれ以外には別段、不気味とか陰気とかといった負の感情を呼び起こす要素は皆無で、ただ一見しただけでは特別ないわく因縁のある人形にはとても見えませんでした。

しかしよくよく念を凝らして見てみると、その由来に関して気になる過去のビジョンが次々と現れてきたのです。まず、それは三代前の当主の妻、つまり依頼者の曾祖母に当たる女性が、嫁入り道具のひとつとして持ち込んだ品であることが分かりました。さらに2体の雛人形のいずれにも持ち主であった故人の想念が強力に染み込んでおり、しかもそれは非常にタチが悪い性質の波動でした。

「この人形には、強烈な嫉妬、それから憎しみの感情が注ぎ込まれています。つまり、誰かに対する呪いの念です。このことについて、何か心当たりはありませんか?」

私が率直に訊ねると、依頼者は首を傾げながらも、自分は何も知らないが近くに住む年長の親戚などに昔の事情を聞いてみると言ってくれました。一方、こちらはその場で人形をお預かりし、知り合いのお寺へ持ち込んで供養してもらう段取りをつけたのです。

数日後、再び本人から連絡があり、その曾祖母に当たる女性の身の上について、色々と教えてもらうことができました。

彼が複数の親戚縁者から聞き集めた話を総合すると、人形の所有者である曾祖母は生前、その夫(依頼者の曾祖父)の浮気癖にとても苦しみ、最後は事故とも自殺ともつかない不審死を遂げていたことが分かりました。遺体は近くの川岸で発見されたそうなのですが、そのずぶ濡れの着物の胸元には、あの女雛と男雛の人形が堅く抱き締められていたのだと…。

その後、しばらく人形の所在は不明だったそうなのですが、なぜか三代後の平成の世になって、いきなり子孫の前に現れたというわけです。もしかしたら曾祖母が亡くなった直後から、雛人形が関わる何らかの怪異が起き、家人の誰かが仕方なく屋敷の最奥に封印したのかもしれません。

なおこの話で一番気になるのは、人形が本当に自分で動いたのかということなのですが、これについては後々、真相が明らかになりました。ただ、当時はその内容を依頼者に話すことはできなかったのですが…。相談を受けた頃より年月が経過し、つい先頃には依頼者がこの世を去ったという話も人づてに聞きました。従ってそろそろ時効ではないかと思われますので、この場を借りて、初めて真相を語らせていただきます。

雛人形を持ち運んでいたのは、他ならぬ依頼者の妻でした。最初は普段から仲が悪かった姑の部屋に、続いて小姑(こじゅうと)の寝室にも密かに人形を置き、彼女たちを気味悪がらせた挙げ句、最後はその車のトランクにも忍ばせたというわけです。預けた寺から深夜にこっそりと持ち帰ってきたのも、もちろんこの妻の仕業です。私はこれらの事実を当初、霊視によって察知し、後には内密のうちに妻本人を問い質して確認しました。

彼女は人形を目にした瞬間、そこに憑依していた曾祖母の怨念に強く感化されてしまったのでしょう。旧家の不条理な圧力に苦しめられた者同士で、時空を超えた共感が生じたのかもしれません。また義母と義妹が乗る車のトランクに隠したのは、本人にしてみれば単なる嫌がらせのつもりだったのでしょうが、結果的には人形の祟りによって2人を呪い殺す形となってしまいました。

なお、この2体の人形は密教修験者として名高い僧侶が入念にその呪力を封じた後、令和時代となった今も某寺院の倉庫に眠っています。人形の体内に籠もっている怨念のパワーがあまりにも強すぎて、お焚きあげすらできない状態なのです。こうした消極的処置はままあることで、供養の後、不用意に処分などをしてしまうと、関係当事者はおろかそれに携わった術者まで命を落とすようなことが起きます。

今日ではもっぱら玩具やインテリアとして用いられる人形ですが、本来は形代(かたしろ)と呼ばれる呪術道具を起源とするものなので、不用意に強い念を注いだりすると一種の自意識が芽生えることがあります。それはいわば持ち主の生き霊的分身のようなもので、たとえ持ち主自身が亡くなったとしても、その意識の一部は人形内部で生き続ける、という心霊現象が起きやすいのです。

とくに人形に注がれた意識の内容が強い恨みや嫉妬、殺意といった負の念に基づくエネルギーであった場合、同じ波長のエネルギーを際限なく吸収し、とてつもなく禍々しい呪物に変化していることもあり、そうした場合、供養や魂抜きに当たっては細心の注意が必要とされます。従って私たちのような職業の者にとっても、非常に取り扱いが難しい物品のひとつとされているわけです。この件も、まさにこれに該当するケースでした。

ちなみに死亡した母娘が撮影した写真の元データーも見せてもらったのですが、2体の雛人形の容貌は原物のそれとはかけ離れた様子に写っていました。いずれも大きな口を開け、まるでこちらを嘲り笑うような、醜怪な表情を浮かべていたのです。依頼者によれば、「撮影時はごく普通の写真であったが、いつの間にかそんな風に変化していた」そうです。目にした瞬間、その手の写真を見慣れている私もさすがに戦慄を覚えました。

「もしかしたらこの写真を撮ったことをきっかけにして、それまで眠っていた人形の意識が再び目覚めてしまったのかもしれませんね…」と、そんな言葉が喉元まで込み上げましたが、さすがに酷すぎて言い出せませんでした。

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