寺社が自ら謳（うた）うご利益には、後付けで作られたものも多い

恋愛の成就や結婚につながる出会いを求めて、縁結びの神様の元へ詣でる未婚女性の数は未だにとても多いようです。私どもの鑑定相談でも、「縁結びのご利益が高い神社やお寺というのはどこでしょうか？」といった主旨のご質問を受けることが度々あるのですが、そもそも神仏がもたらすご利益というのは、各々の寺社を主宰・管理する人々が参詣者を増やすために後付けで作り上げた内容が意外と多く、「これこれこういうご利益があります」とまことしやかに謳われた看板があっても、それを鵜呑みにするのは早計に過ぎると言わざるをえません。

しかし中には、その寺社に祀られている神仏自体の縁起として特定の奇瑞（奇跡）を示したとされているものもあり、その奇瑞の内容に沿ったご利益が謳われているならば、ある程度信ずるに足りると思います。

縁結びの神の代表格～出雲大社について

我が国でそうした縁結びの霊験あらたかな寺社の代表格とされているのが、島根県にある出雲大社です。ここに鎮座される大国主命は、生涯数多くの姫神をめとり、数えきれぬほどの子を成した艶福家の神様として知られており、それにあやかって未婚の男女が参詣すれば速やかに良縁がもたらされ、また子供を望む夫婦で詣でるならばこれもまた速やかに子種を授かるとされています。実際、出雲大社への参詣をきっかけに恋人ができた、あるいは結婚できたとおっしゃる方には頻繁にお会いしますので、単なる偶然や気のせいということでは片付けられない特殊なパワーが存在することは確かなようです。

こうしたご利益の効果のほどを霊能者の立場から考えると、まず出雲大社の境内、および背後にある出雲山の磐座（いわくら）を中心とした一帯は風水上、稀に見るほどの良好な地勢を成しており、とくに地上へ噴出する地脈のパワーが絶大であるということが挙げられます。

多少とも霊感のある方ならば、その境内へ入って拝殿のある地域へ近づくにつれて、下から突き上げる異様な圧力感覚が生じるのが分かるでしょう。また本殿の建物を取り巻くように、龍体が絡みついている幻視を得るという方もおられるようです。このいずれもこの土地特有の地龍（地脈エネルギー）の働きによるものです。当地にしばらく滞在するだけで心身が浄化され、なおかつ活気に溢れた大地の気のエネルギーを吸収することができるので、良縁成就に限らず運気全般が自ずと上がるわけです。

縁結びを叶えてくれる寺社、３つの条件

ではなぜ、とくに良縁成就の奇瑞を顕すこと著しいとされるのかといえば、それは出雲大社へ詣でる大多数の人々の想念が恋愛や結婚面での幸福を念頭に描いているからなのです。土地が発する陽気のエネルギー自体は偏りのない無色透明なもので、確かにそれだけでも心身活性へと導いてはくれますが、受ける側がとくに意識をしなければ、気持ちが安らかになって健康が増進されるくらいの効果しか及ぼしません。パワーを受ける際になにがしかの祈願を込めることで、初めて波動の力に特定の色づけがされるのです。

ひるがえって出雲大社について見てみると、まずここのお社には四季を通じて大量の参詣者が訪れること、さらにその大多数が恋愛や結婚に関わる祈願事を胸に秘めていることが特筆されます。すなわちこの場所には一定の方向性を有した大量の想念エネルギーが常に渦巻き、それが大地の気と融合する形となっているのです。こうした渾然一体となった独特の波動が参詣者たちの意識に強い影響を与えるため、結果として良縁成就がもたらされやすくなるというわけです。

一般に人間が発する我欲の念というのはネガティブな影響を及ぼしやすいものですが、出雲大社の地に宿る強烈な地龍のパワーがそれを常に浄化し続けるという霊的循環が存在しているので、結果として欲望波動のエッセンス部分（純粋な祈念の波動）だけが残存し、後続の参詣者たちの意識にプラスの働きかけをしてくれるのです。

具体的には、それまで消極的な性格であったのが自分から愛の告白をする勇気が持てるようになるとか、異性を惹きつける魅力を磨く努力を始めるようになるとか、あるいは自分自身を客観的に見られるようになって相手がなかなか振り向いてくれない理由が分かる、といった現象が生じるようになります。逆に言えば、この出雲大社のケースと同様の条件を有する寺社へ詣でれば、縁結びの願いが成就する確率も高まるというわけです。その条件について、あらためて箇条書きすると、

①常に大量の参詣者が絶えない寺社であること。
②境内全体が地脈の力に裏付けられた超強力なパワースポットとなっていること。
③参詣者の大多数が「縁結び」や「恋愛・結婚での幸福」を心底から真剣に願っていること。

となります。