因縁地獄 泥沼愛の霊的原因を探る ②
正常な判断力を乱す霊障と因縁
「その気持ち、感情は本当にあなた自身の内部から発したものなのか?」 ~その1~
霊能者の先生方が、電話占いで日々接している鑑定事例に基づき、世間一般に言われる「泥沼愛」に至る原因を解説するコーナー。ご好評いただきました第1回から、装いも新たにタイトルを変更してお届け致します。第2回は、人間から正常な判断力を奪い、破滅的な愛へと駆り立てる様々な霊障と因縁の作用について取り上げます。
はじめに
前回は泥沼愛の霊的原因について、「一目惚れ」を足掛かりとして総論的な事柄を書きました。これを受けて今後は、私どもに寄せられた個別事例を中心に取り上げていきたいと思います。前回と同様に鑑定の実例を取り上げ、そのトラブルの背景にある霊的な要因を明らかにした上で、すでに解決済みの問題に関してはそこへ至るまでの大まかな経緯なども併せてご紹介いたします。
なお、ここに掲載させていただいた実例は、全て事前に当事者の許可を取った上で、名前や住所等を含むプライバシーに関わる事柄の一切を、仮称や架空の事物に置き換えて記述していることを予めご承知おきください。
結ばれるべきでない相手と結ばれてしまうことが、泥沼愛の根本原因
さて泥沼愛というと、皆様はどのようなイメージを思い浮かべますでしょうか?恐らく一番多いのは、不倫や浮気が発覚しての男女の修羅場…。あるいは三角関係のもつれや二股愛、恋愛関係に金銭が絡んだトラブルなど。また時にはDVやストーキング、嫉妬の末の刃傷沙汰といった物騒な光景が目に浮かぶかもしれません。
いずれにせよ、こうした厄介な状況に至る原因を突きつめると結局、それは2つのことに収束するのではないかと考えます。つまり、それは最初のボタンの掛け違い──。恋愛の対象として選ぶ相手を間違った、あるいは自分にとって相性の悪い人をそれと気づかずに選んでしまった、ということに尽きます。
例えば不倫の問題をひとつ取っても、伴侶や恋人が他の異性に走ってしまうというのは、その相手に最初から性格的な問題点(多情・浮気癖・無責任)があるとか、もしくは夫婦・恋人としての2人の関係が上手く行かないために、相手が他へ目移りをしてしまったということを意味します。「浮気は一時の気の迷い」というのはしょせん体の良い方便に過ぎず、実際には浮気や不倫へ至るまでの然るべき原因があるのです。それを正しく認識し、自ら反省することができれば、今後より良い人生を歩むための糧にもなりますが、もし顧みなければ再び同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。
泥沼愛を回避する秘訣は、自己正当化の罠に陥らないこと
とくに女性が不倫トラブルの被害者となった場合、浮気をした当事者(伴侶・恋人)よりもその浮気相手の異性を強く非難する傾向があると言われ、「こうした頑なな態度の奥には、自己正当化の感情が潜んでいる」、と指摘する心理学者もいます。
一般に女性は男性に比べて情操が豊かですから、その感情の乱れはより大きなストレスを生みます。そのためパートナーの浮気というような心理的なクライシスに遭遇すると、無意識のうちに心の防御機構が作動してしまうのです。
自分はもちろん悪くないし、その男性を選んだ自分自身の判断が間違っていたとも考えたくない!…と、それで「一番、悪いのは彼の浮気相手!」と理屈を超えた形で信じ込み、乱れた心を少しでも落ち着かせようとするわけです。こうした意識の働きは、自分をさらに苦境へ追い込む心の罠のようなものだと考えるべきです。
「その人を選んだのは、他の誰でもない自分自身」だという大切な事実を忘れてしまうと、一方的な被害者意識に凝り固まって、苦境を打開するために必要な冷静な判断力まで失われてしまいます。自分が置かれている立場を客観的に受け止められないことは、その後の処置や判断のミスにもつながり、時には目下の状況をより複雑怪奇なものにしてしまいます。つまり、愛憎の泥沼に身投げするような行為と言えます。
【鑑定事例 1】
「夫の不倫が原因で刃傷沙汰を起こしかけて、逆に訴えられる羽目に…」
相談者 高松真奈さん(仮名)・38歳・愛知県
[本人が語った相談の概容]
昨年の暮れ、私の夫の勤め先にいるEさんという人から密かに連絡をもらいました。
話の内容は夫の行状についての告発でした。取引先の女性営業職と浮気しているというのです。じつは私たち夫婦は職場結婚で、話を教えてくれたEさんというのは私が同じ会社に勤めていた頃にデスクを並べていた女性でした。嘘を吐かない信頼できる人柄だったこともあり、私は彼女の言葉を全面的に信用しました。
そして数日後、様子を窺いながら折を見て、夫に浮気の真偽を確認。最初のうちはのらりくらりと逃げていたのですが、深夜から明け方まで膝突き合わせて問い詰めるうちに、ようやくその事実を白状したのです。
泣き顔で土下座して謝る情けない姿を見下ろしながら、結婚してからの様々な苦労が走馬燈のように頭を駈け巡りました。新婚早々、義理の母親からさんざんお節介や嫌がらせをされたこと、住宅ローン返済のためのパートの苦労、そして小学生になる息子の育児も夫に助けてもらえず私1人でやり遂げたことなど…それらの光景をぼんやりと思い浮かべているうちに、ふと我に返ると、いつの間にか車に乗って外へ飛び出していました。
やがて私は当然のように、夫の浮気相手という女の勤め先にハンドルを切っていました。現役の会社員時代、何度か訪問した取引先だったので、その記憶を頼りに道を進みました。そして現地へ到着すると、受付を通じて本人をロビーへ呼び出し、直接対決したのです。
普段は引っ込み思案な性格の私に、どうしてそんな大胆な真似ができたのか、いまだに自分の取った行動が自分自身で解せないでいるのですが、とにかくその時は身体中から火を噴いているような感覚に襲われ、早急にけじめをつけなければ、という思いに囚われていました。
初めはできるだけ怒りを抑えて、大人の話し合いをするつもりでした…。が、相手の女が私の顔を見るなり居直った態度を示したことで完全に切れました。「こっちは仕事中だっていうのに…これだから世間知らずの主婦は…」と、彼女がそんな悪態を言い終わらないうちにその胸元へ飛びかかり、さんざんもつれ合って床を転げ回った挙げ句、最期は付近にいた警備員に身柄を取り押さえられました。
その後、連絡を受けてやって来た夫に引き取られる形で警備員室から帰宅。幸い警察沙汰にはなりませんでしたが、後日、浮気相手の女から「突き飛ばされて転んだ拍子に怪我をした」と治療費名目の慰謝料を請求されてしまいました。夫に浮気された側がその浮気相手から訴えられるというのは、とても滑稽な話ですね…。
肝腎の夫は、事情を知った会社から自宅謹慎の命を受け、一時は失職の瀬戸際まで追い詰められましたが、直属の上司の取りなしで何とか事無きを得たというのが現在までの流れとなります。
そのような次第で今後どうすれば良いのかを教えていただきたく、愛染さんにご相談しました。自分の軽率な行動を棚に上げて申し訳ありませんが、勝手なことを言わせてもらうと、私は決して離婚を望んでいません。夫にはもう愛情はありませんが、少なくとも子供が独り立ちできるまでは、両親が揃った家庭で育ててあげたいと願っているからです。 ただ、以前から折り合いが悪かった義母はこれ幸いと、「慰謝料も養育費も責任を持つから別れなさい」と夫をけしかけているようで、今では浮気相手の女よりもこちらの存在の方がよほど厄介に感じられてきました…。
我を見失うほどの怒りの原因は、第三者の生き霊のしわざだった!
上記のような内容のご相談を受けて霊視を試みたところ、意外な事実が判明して少々驚いた記憶があります。まず当事者たちの状況を見始めたとたん、暗がりで意地悪くほくそ笑む女の顔が出現したため、さっそく見えたままの人相を高松さんに確かめたのですが、「たぶん、それは夫が浮気していた女とは違います」という返答をいただきました。
お話を伺った時点で私は、「この件には生き霊が関与しているのでは?」とも考えていました。しかし、霊視で捉えた相手が不倫相手の女でないとしたら、それは一体誰なのか?もしや、昔から折り合いという悪い姑から発せられた悪意の波動だったのか?それとも…?
結論から先に申しますと、私のビジョンに現れた生き霊の正体は、Eさんという元同僚の女性が発した念でした。
これもまた霊視によって分かったことなのですが、Eさんという人は以前から高松さんに強い嫉妬の念を抱いていたようで、何事かあればそれに乗じて嫌がらせをしてやろうと手ぐすねを引いていた節が窺えました。そしてたまたま彼女の夫が不倫していることを知ったので、その情報をわざわざ高松さんに伝えて、平穏な家庭に波風が立つことを願ったのです。
Eさんの内面を読み取ることで分かったのは、彼女が以前、高松さんの夫に異性としての想いを抱いていたという事実でした。ですから彼女にとって高松さんは、まるで泥棒猫のように自分が愛する相手をさらっていった憎い女ということになります。
しかし高松さん自体はそのことに全く気づいておらず、心から信頼できる元同僚として退職後もEさんと交流を続けていました。こうした両者間の認識のあまりの落差に、他人事ながら少し背筋が寒くなりました。
浮気相手の会社に乗り込んだ日も、高松さんの意識にはEさんの生き霊が憑依していたのだと思います。それで普段は温厚な性格で知られる彼女が、「自分でも信じられない」ような突拍子もない行動に出てしまったわけです。
以上の隠されていた真相を把握した上で、電話越しの遠隔浄化によってまずEさんの生き霊を祓い、続いて義理の母親がぶつけてくる悪意の念波も遮断してこの日の鑑定は終わりました。
後日、再び伺ったところでは「話し合いの結果、離婚という望まない事態には至らずに済んだ」とのことでした。ただ、その後もEさんは生き霊飛ばしを続けているようで、今度は高松さんよりもむしろ夫の方がダメージを受けていました。
騒動以来、夫は夜な夜なEさんの夢を見るようになったそうです。しかも、相手は手にナイフを握っており、それを振りかざしてぐさぐさと胸を刺してくるのだと…。この悪夢のせいで、職場での当人とのやり取りがギクシャクし始め、周囲からも不審な目で見られていると聞きました。
この相談については、まだまだ波乱が尾を曳きそうです。現在も継続してアドバイスを差し上げてはいますが、生き霊の障りの根本的解決は非常に難しく、しかも電話を通しての間接的な鑑定には限界もありますので、今後の成り行きによっては、対面で直接相談できる地元の霊能者をご紹介することになるかもしれません。
常軌を逸した激しい怒りや憎悪は霊障(生き霊憑依)のサイン!?
良くない性質の霊体、とくに生き霊の憑依を受けるとどんなことが起きるのか?このことについてはすでに多くの霊能者たちが様々な形で解説していますが、そのひとつの現れとしては一時的な「性格の豹変」が起きることが挙げられます。
今まで陽気で知られていた人が急にふさぎ込むようになったとか、あるいは逆に冷静で大人しかった人がまるで躁状態のようなテンションで動き回るとか、傍目に見ても明らかに異常な行動や言動を取り始めるのです。実例で示したような常軌を逸した怒りや激しい感情、そしてそれに任せた無謀な行為なども同じです。
この時、本人には何かに操られているという自覚はもちろんないので、反省もほとんどしませんし、軌道修正しようという考えにも至りません。その結果、周囲との間に無用な軋轢を生み出して社会的信用を失ったり、人間関係が崩壊したりといった不運に見舞われます。
ただ、こうした霊による意識干渉はひとえにその人の心の隙に入り込むものですから、常に油断なく身構えて明晰な自己意識と意志を保ち、なおかつ自分が立っている状況に対しても客観性を失わずにいられれば、かなりの確率で防ぐことができるものでもあります。
例えば僧侶や神職が何らかの邪悪な念や穢れを祓う際、裂帛の気合いとともに破邪の経文や祝詞を唱えますが、これにはそれ自体に宿る言霊の力で霊体を封じる効果とともに、術者の意識から一切の邪念を消し去る作用があります。呪文詠唱を通した意識集中により、外部からの霊的侵入に対する強力な防御壁を形成するのです。
逆に感情に流されて我を失ったり、自己意識が右往左往して定まらない状態が続くと、他から来るネガティブな意識波動(生き霊 悪念 浮遊霊など)と容易に同調してしまうのです。
上に挙げたような主観的で誤った自己正当化もこれと同様で、その心の弱い部分をすかさず敵に突かれます。要するにその時々に、自分自身がやっていることや考えていることに対して一定の客観性を保つこと。「何だか変だな?」「いつもの自分と違う!」と気づくことができるかどうかが、霊障の被害を防ぐための大切な分かれ目となるわけです。
[次回に続く]
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