電話占いのサービスは独身時代にたまに利用していましたが、結婚後はずっとご無沙汰。そんな私がおよそ10年ぶりに相談してみようと考えたのは、夫に関して疑惑を抱いたのが始まりでした。事前にネットの口コミなどを調べた結果、千愛さんという凄い霊能者の存在を知り、さっそく電話。「夫が浮気しているんじゃないかと疑っているのですが……」と切り出すと、その一言だけですぐに霊視に入ってしまいました。

千愛先生「……見えました。あなたのご主人、普通のサラリーマンではなくて何か自営業をなさっている方ですね」
私「はい。飲食店などを何軒か経営しています」
千愛先生「四十がらみの、細身で背の高い方。いつも銀縁の眼鏡を掛けていらっしゃる？」
私「ええ、その通りです！」
千愛先生「それと海の風景が強く見えているのですが、ご主人は海がある土地のご出身か、それとも釣りやマリンスポーツの趣味があるということでしょうか」 私「あ、当たっています！主人、サーフィンが趣味で毎週のように日本海側へ出掛けています！」

万事こんな調子で、次々と指摘されていく事柄は全て的中していました。あまりにも当たり続けるので、スマホを掴んだ手がいつの間にか震えていました。霊視の内容はとても具体的で、主人の日頃の行動や夫婦のやり取りなども、正確に言い当てられてしまいました。もしや我が家に盗撮カメラが仕掛けられているのでは？などと、馬鹿げた思いが頭に浮かんだほどです。10年前に相談していた霊感タロットの先生もかなり当たる人でしたが、それと比べても桁外れの的中率でした。

「ご主人の浮気を疑っているとおっしゃいましたが、それにはサーフィンが深く絡んでいますね。ずばり、サーフィン仲間の誰かと浮気しているのではないかと疑っておられるではないですか？」寸分違わずその通りだったので、私は電話口で頷くしかありませんでした。
「結論から先に言いますと、ご主人は潔白です。ただし一方的にモーションを掛けてきている、30代の独身女性がいることも確かです。今のうちにこの女性を牽制しておかないと、のちのち禍根を残すことになるかもしれません」

先生にそう言われ、そのアドバイスに従って翌週末の夫のサーフィンに私も同行したのです。
現地で合流したメンバーの中に霊視で描写された通りの女性がいたので、その相手に妻として私の存在をきちんと見せつけました。一瞬、恨めしげな眼差しを投げつけられましたが、リアクションはそれきり。次の週もまた同行したところ、浜辺に彼女の影は見えませんでした。

今回の件をきっかけに、私も本格的にサーフィンを始めました。１人で自由に過ごせる時間が減ってしまった主人は、最初の頃は渋い顔でしたが、今では頼もしいコーチとして色々教えてくれています。「ご主人は女性に好かれる人なので、気を抜いてはダメです」との言葉、これからも肝に銘じます。